■かいせつ 1 ヒオウギアヤメとは

緑ヶ丘公園の池(十勝池)のまわりで見られるアヤメのなかま。6月に鮮やかな花をつけ、初夏のおとずれを教えてくれます。ところでヒオウギとは何でしょうか。副センター長は長らく調べもせず「秘奥義に違いない。カッコいいから。」と信じていました。調べてみると、扇子(せんす)の原型となった檜扇(ひおうぎ)が語源だとする考えが一般的なようで、花から必殺技がくり出されるわけでは無いようです。葉のつき方が檜扇のように見えるので、ぜひ確かめてみてください。


■かいせつ 2 花のヒミツ

よく見ていると、ヒオウギアヤメの花に小さなハチやアブのなかまがささっと入っていき、花粉まみれになって出てきます。彼らが花から花へと移って花粉を運ぶことで、ヒオウギアヤメは種子(たね)をつけることができるのです。ハチやアブは花粉をゲットし、ヒオウギアヤメは子孫を残すことができる――。ぜひ池のベンチに腰かけて、この小さな「持ちつ持たれつ」の関係をご覧になってください。こちらから危害を加えなければ刺されたり噛まれたりすることはありませんので、じっくり観察できます。

花にやってきたエゾトラマルハナバチ。このあと花びらに着地して、のしのしと花の中に入り、花粉まみれになって出てきます。

花から出てきたハイイロマルハナバチ。頭と胸が花粉まみれです。